うつと間違えやすい病気
あなたの心は、あなたの食べたものでできている!なぜなら、心の働きにかかわる脳内神経伝達物質は、栄養素によってつくられるからだ。
栄養素の不足や血糖調節異常は「うつ」とよく似た症状を示すが、著者は栄養指導により多くの精神症状を改善してきた。
本書では、うつに陥りやすい現代人の食事の問題点や、心に効く食べ方を解説する。
うつの人だけではなく 健康を考える方には一読してもらいたい本です。
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うつの最も典型的な症例が、じつはほかの病気を反映していたということもある。
うつを含む感情障害もしくは精神障害と診断された人の40〜50パーセントが、じつは気づかないうちに身体的な不調をかかえていたとわかるのだ。
高齢者にどんな諸症状が見られても、うつのあらわれだと決めてかかってはいけない。
そのせいで治療できる病気がほうっておかれるおそれがある。
はっきりした理由があろうとなかろうと、うつ状態にある人には、有資格の専門家による精神状態の診察のみならず、徹底した医学的評価もおこなわれるべきだ。
以下にあげるのは、うつと誤解されるおそれのある疾患の例である。
パーキンソン病患者のおよそ40パーセントは、同時に重いうつもかかえている。
もしもこの病気をあらわす震えやその他の兆候(こわばった表情、前かがみの姿勢、ゆっくりした動作、静かで単調な声)がなければ、うつだと誤解されかねない。
もちろんパーキンソン病患者の多くはうつ状態にもあり、その場合は両方の病気の治療が必要になる。
脳卒中というと、主としてあとに残る麻痔ばかり心配しがちだが、脳卒中におそわれた人の30パーセント以上はうつになる。
右ききの人の脳の左側が傷つき、体の右側が弱ったり麻痔したりする場合に、とくに起こりやすい(左ききの人の脳の右側が傷ついたときもおなじである)。
がん患者の40パーセントがうつ状態になる。
がん患者の多くは、必要なはかの薬といっしょに抗うつ剤も処方されれば、自分の病気にうまく対処していくことができる。
甲状腺機能低下症は、心身の働きの鈍化、記憶力の低下、無感動な態度、疲労、便秘など、うつと誤解されやすい症状をひきおこす。
正しい診断を下すために必要なのは、疑いをもつ基準を高くすること、そしてかんたんな血液検査だけだ。
自己免疫系に関係するリウマチ性多発筋痛および側頭動脈炎は、高齢者にはよく見られ、根深い疲労感、頭痛、理由のわからない食欲の減退など、すべてうつの特徴でもある諸症状をひきおこしうる。
どちらの病気もステロイド治療によって治すことができる(側頭動脈炎は治療せずにおくと、視力の低下や脳卒中につながることもある)。
アルツハイマー病患者の半数もやはりうつ状態にある。
患者が急に食べなくなったり、ほかの症状が悪化したりしたときに、その可能性を考える。
こういう場合には抗うつ剤によって、アルツハイマー病の容赦ない進行と見られるものが回復することがある。
多様な薬物が、おたがいにまずい具合に影響しあい、うつをひきおこす場合があるので、診断が疑わしく思えたときにはかならず、自分の飲んでいる薬を(医師に処方されたものでも、自分で薬局や健康食品の店で買ったものでも)よく調べること。数種の薬を摂取している高齢者にはとくにあてはまることだ。
貧血になると疲れやすく、活力が足りないときにはうつのように見えることがある。
酒量が増えると、あるいは飲酒をやめると、いつも眠くなったりけんか早くなったりし、
その気分の揺れはうつと誤解されやすい。以下の一般的に使われている薬は、うつをひきおこす可能性がある。
降圧剤。上昇した血圧を下げるのにひろく処方されているのは、ベータ遮断薬である。
高血圧の治療にさいして、とくに60歳以上の患者には、ベータ遮断薬を最初から使うべきではない。
たとえうつをひきおこすとしても、効果的な代替療法がないために、使いつづけるしかないのだ。こうした場合には抗うつ剤を併用する。
これはほかの治療法が利用できないせいで、副作用があると知られている薬物を妥協して使わざるをえないという、まれな実例だ。
鎮痛剤および睡眠剤は、単独もしくは組み合わせで使われると、高齢者にうつをひきおこす原因として悪名高い。
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