難聴
65歳以上の高齢者のほぼ3人に1人が耳鳴りや難聴の悩みを抱えているといわれています。 耳鳴りも難聴も本人以外はその苦しみは理解できません。
耳鼻科を受診しても、原因が分からず、有効な治療が行われないことが少なくありません。
こうした現代医学で原因がはっきりつかめない病気に対しての代替医療への関心が高まっています。
薬効植物に含まれる成分は非常に複雑で、どの成分がどのように効果的に働いているのか 判明していないものもありますが、人に有効な植物が薬草として各地に伝わっています。
薬効植物を利用した療法の考え方は、人の自然治癒力(免疫力)が機能していれば症状が改善され、 健康な状態を取り戻すことができるということです。
本書は、薬効植物や抽出成分を利用した 実体験を通して、その成果を紹介しています
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あなたはあるパーティーで古い友人に出会う。
二人で思い出話をしていると、その旧友の奥さんが通りかかり、会話にくわわってくる。
この前会ったときには、その奥さんの話しぶりになにも問題はなかった。
ところがいまの彼女は、ひどい小声でなにやらつぶやいているだけで、言っていることがひとことも聞きとれない。
こちらの耳のせいではない。夫のほうが言っていることはだいたいわかるからだ。
それから何週間かして、たまたま会った別の女性も、やはり言葉がはっきりしないことがわかる。
そこであなたは、最近の建築の音響効果に問題があるのだろうかと考えはじめる。
あなた自身の耳が遠くなっているということにはまだ思いあたらない。
こうした状況に覚えがあるなら、あなたはおそらく聴覚障害をかかえている。
アメリカではそういう人が約3000万人いて、そのうち900万人が65歳以上である。
65歳から70歳の人たちの30パーセント、75歳以上の人たちの40パーセントが深刻な難聴に悩んでいるのだ。
なにが難聴をひきおこすのか
人生のどの段階でも、難聴をひきおこす原因はいくつかある。
先天性異常、遺伝的欠陥、あるいは母親の妊娠中の問題のために、生まれつき耳の聞こえない子どもがいる。
耳や、聴覚メカニズムのどこかが、大きな音や(とくに中耳や内耳の)感染症、腫瘍、ある種の薬剤、とくにストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンといった抗生物質によって、傷つくこともある(こうした薬のどれかを摂取していて聴力の低下や頭のなかで雑音がするのに気づいたら、すぐに医師に知らせること)。
もしあなたが、こうした薬物しか効かないような重い感染症にかかり、厄介な副作用があってもそれを摂取しつづけなくてはならないなら、朗報がある。
ミシガン大学の研究者たちがモルモットにこれらの薬物を摂取させ、さらに血流中のよぶんな金属を吸いとるキレート試薬で治療することによって、聴力の低下をふせぐのに成功したのだ。
現在こうしたキレート試薬の臨床試験が人間の患者にもおこなわれている。
難聴にはまた、脳になんらかの問題があり、耳から受けとる情報を解釈できなくなっているという場合もある。
こうした人は、言われていることは聞こえるものの、それを理解できない。
だが、加齢にともなう難聴は、特別な種類の聴覚障害である。
高音が聞きとれなくなるのだ(女性の声、電話の音、電子音や信号音)、そして自然愛好家であれば、鳥のさえずりなどが。
この選択的な難聴は、耳のさまざまな部分で起こる変性の組み合わせによるものだ。
鼓膜は弾力性を失い、音波が当たったときにうまく振動しなくなる。
そうした振動を内耳に伝える中耳の小さな三つの骨も、やはりうまく動かなくなる。
そして最も重要なのは、蝸牛のなかの有毛細胞が正しく働かないことだ。
蝸牛とは内耳に位置する、カタツムリのようなかたちをした渦巻状の管で、液体がいっぱいに詰まっている。
その蝸牛の毛が音や振動に反応したときに神経インパルスが生まれ、聴神経を経由して脳に伝わったあと、意味のある音として解釈されるのだ。
加齢にともなう聴力の低下は、人生の質に重大な影響をおよぼす。
こうしたかたちの難聴をふせぐ方法は、おそらく大きな音に慢性的にさらされるのを避けるという以外には、なにもない。
低脂肪の食生活が予防に役立つと言う医師もいるが、まだ証明されるには至っていない。
難聴を治療する唯一の手段は、補聴器やその他の増幅装置である。
どういうわけか自分の聴力が低下していることを認めず、なんの手も打とうとしない人は多い。
彼らも自分に正直になってみれば、何カ月あるいは何年ものあいだ、じつにたくさんのことを否定したり無視したりしてきたことを認めざるをえないだろう。
奥さんに小声でつぶやくのをやめるようにと、不当にもうるさくせっついていたはずだ。
また、自分のまわりで起きていることが耳に入ってこないせいで、不機嫌になったりいらいらすることもあっただろう。
電話機のすぐ近くにいなければベルの音が聞こえず、いざ電話に出たときには、相手の人に、もっと大きな声で、とか、もう一度言ってくれ、と頼んでいたのではないか。
こうしたすべてが、あなたの聴力に難があることの証拠なのだ。
補聴器が必要であることをたしかめるために、25デシベルの検査を短詞してみるといい。
まず静かな都塵を見つける。
片腕を横にまっすぐ伸ばし、親指と人差し指を軽くこすりあわせる。
そうしながら指を耳のほうに近づけ、どのくらいのところで指のこすれる音が聞こえはじめるかを鬼るのだ。
25から20センチ離れたところで聞こえるのが望ましい。
10センチでも聞こえなければ、聴覚の専門医に診察してもらうこと。
医師はあなたの耳をのぞきこみ、耳の穴があかでふさがっていないことをたしかめる(どれだけの数の「難聴」がちゃんと耳そうじをしたあとで治るものか、きっと驚かれるだろう)。
そのうえで聴覚を検査すると、医師はほぼかならず、あなたの片耳もしくは両耳が高周波の音を聞きとれないことをつきとめる。
この状態は老人性難聴と呼ばれる。
そのあとで小さな補聴器をつけられるが、これは耳の穴のずっと奥深くにフィットし、ごく近くからのぞきこまなければ外からは見えない。
こうした小さな補聴器で一挙に問題が解決できるというのは、まさしく驚きだろう。
ただし難聴がひどくなったり、問題が耳にではなく脳にあるときには、それよりもずっと大きな、きわめてよく目立つ装置が必要になる。
補聴器の値段
こうしたすばらしい小型補聴器の値段は、左右で4、5000ドルもする(なかにはひとつしか補聴器が要らない幸運な人もいる)。
「そんなに高価でないものはありませんか?」と訊くと、もっと安価なモデルもあるにはあるが、
ふつうこうしたデジタル式のタィプほど性能がよくないのだと言われるだろう(デジタル式がこれほど高価なのは新型だからで、一、二年もすれば値段は下がるだろうと期待している)。
もしそれだけのお金を出せないのであれば、あなたはずっと耳が不自由なままでいなくてはならない。
アメリカでは、いかなる種類の健康保険であろうと、事実上どこからもそのための費用は支払われないだろう。
補聴器は、たとえば新しい心臓弁のような必需品ではなく、贅沢品だと考えられているのだ。
たとえばイギリスの国民健康保険では補聴器の代金がまかなえるし、その他数ヶ国の政府による健康保険でも可能だ。
この世界一豊かだと言われる国で、金銭的余裕がないために補聴器(あるいはメガネや義歯)を買えない高齢者が、ずっと難聴(または視力の低下や食べ物が噛めない状態)に耐えていかねばならないよう運命づけられていることには怒りを禁じえない。
5年から10年前までの補聴器は、現在のものよりはるかに大きく、ずっと目立った。そしてピーピー鳴るうえに音がひずみ、しかも鼓膜に当たる音すべてを増幅した。
レストランでは皿ががちゃがちゃいう音にも、耳もとでそっとささやかれる愛の言葉とおなじだけの優先権をあたえた。
要するに、ある音と別の音との区別ができなかったのだ。
騒音を聞かされるくらいなら静かなはうがいいと大勢の人が考え、補聴器をつけるのを拒んだ。
しかし現在の装置は当時よりもはるかに進歩した。
目立たないだけでなく、よけいな雑音を減らし、過度の増幅を抑えている。
そして最も重要なのは、耳を使うさまざまな場面 (静かな部屋でだれかと話をする、コンサートや劇場に行く、テレビを見る、あるいは電話で話す)に合わせてプログラムできる点である。
気をつけていただきたいが、大金をはたいても、これはけっして完全なものではない。
しかし注文にあたって、すべてが遵まかせだというわけでもない。
たいていのメーカーは、一ヶ月くらいの試し期間のあと、もしあなたが気に入らなければ代金を返してくれる。
ただし、ひとつご注意を。
こうした補聴器には小さな電池がついていて、それを本体のおなじように小さな蝶番式のホルダーにさしこまなければならない。
もしあなたの手が震えたり、目がよく見えなかったりすれば、扱いに苦労するだろう。
だからあなたが意を決してこれらの補聴器を買うか、あるいは試してみようというときでも、まず見本を見せてくれるように頼み、自分が電池を扱えるかどうか試してみることだ。
目は適正なメガネや白内障の手術によってはっきり見えるようになるが、補聴器はそこまでの効果をもたらさない。
20歳のころのように聞こえるということはなく、聞きまちがえたり、相手に聞き返さなければならないこともあるだろう。
しかし補聴器をつけることで、自分に向かって言われたことは、パーティーの場で女性からかけられる言葉であっても、前よりわかるようになる。
孫たちとの会話をつづけることもできる。
うれしいことに、庭で鳥たちがさえずるのをやめてしまったのでないのにも気づく。
総じていえば、補聴器のおかげでかつての精力的な自分をとりもどせたら、人生は豊かになり、老けるどころか若くなったと見られるだろう(たとえ、ものを噛んでいるとたまにピーという雑音が入ったとしても。)
難聴について覚えておきたいこと
1 加齢による聴力の低下(老人性難聴)はごく典型的な、予測できる事態だ。
女性の声や電話のベルといった高周波音が、騒がしい場所ではとくに聞きとりにくくなる。
2 このタイプの難聴の予防法や治療法はないが、ひどく大きな音はつねに避けるべきだろう。
3 老人性難聴は、女性よりも男性に多く見られる。
その過程は50代で始まり、気づかないうちに容赦なく進行する。
4 補聴器は、白髪やメガネや入れ歯とおなじように、不名誉なものではない。
目がよく見えるようになりたければメガネをかける。
ものをよく噛めるようになりたければ義歯やインプラントを入れる。
あなたが自分の難聴を否定する理由はないし、事態をよくする唯一の手段、つま り適切に調整された補聴器を手に入れることをせずに、自分の難聴を正当化する理由もありは しない。
5 日分に向かって言われていることを聞きとれない状態で老後の年月を過ごしていくのは、うつや引きこもりの重要な原因となり、
家庭や仕事場での個人的、社会的問題をひきおこすこともしばしばある。
6 最新型の補聴器は、ほとんど目につかないし、以前の装置がかかえていた難題の大部分を排除するようにセットできる。
7 有能な聴覚学者が選んで調整した、正しい補聴器に身をゆだねてしまえば、あなたは齢をとっても人生の質を維持するという闘いに勝利をおさめられるだろう。
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