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骨粗髭症の危険因子
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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骨が骨粗髭症になるかどうかは、若いころにどのくらいのカルシウムが骨に沈着したか、
そして、その時期に卵巣がどのくらいのエストロゲンを分泌していたかによって、大きく左右される。
しかし、それ以外にも重要な決定要素がある。
たとえば遺伝的な素質のように自分ではどうしようもないものもあるが、なんらかの手をうつことができるものもいくつかある。
骨粗髭症の危険因子をあげてみよう。
家族歴
母親、姉妹、祖母が、とくに大腿骨を骨折したことがあれば、自分もおなじ運命になる危険性は2倍である。
小柄な女性のほうが骨粗素症になりやすい。
太りすぎの女性で骨が細いという例は、わたしの見るかぎり多くない。
肥満は(いくつかほかの点では不利だが)、骨粗索症の少なさと実際に関連がある。
体重が多いぶん骨に圧力がかかるので、骨が要求し受けとるカルシウムがそれだけ多いからだ。
それに、脂肪細胞がエストロゲンを蓄えるということもあるのかもしれない。
すわっている時間が多いライフスタイル
骨に負荷をかけずにすわったままでいると、カルシウムの必要性が減る。
後年、すこししか蓄えてこなかったカルシウムが失われはじめると、困った事態になる。
長年にわたってカルシウムを使いはたしてしまう。
カルシウムは銀行預金とじつによく似ている。
働いているあいだに貯蓄しておけば、リタイアしてから使うことができる。
乳製品にはカルシウムが含まれているのに、太るのではないかと思ったり、
乳糖不耐症で牛乳を飲むと具合が悪くなったり、
コレステロール値を下げたいと思ったりしてカルシウムの多い食事を避けてきた人(そして食事で摂取するカルシウムが乏しいのにカルシウム剤を補充しなかった人)は、骨粗髭症になる立派な予備軍である。
ちょっとした怪我でも思いがけない骨折だったという人は、骨がすかすかになっている公算が大きい。
骨の実際のカルシウム量を調べてもらうとよい 。
ステロイドホルモン(コルチゾン系ホルモン剤)をなんらかの理由で(関節症、ぜんそく、がん、あるいはリウマチなどの膠原病のため)、6ヶ月以上服用してきた人は、骨粗鬆症になる危険性がかなり高い。
このホルモンは消化器で吸収されるカルシウムの量を減らすので、骨にカルシウムがほんのすこししか残らないからだ。
また、血液で運ばれるカルシウムはふつう腎臓でふたたび吸収され、尿には排出されない。
尿といっしょに排泄してしまうにはあまりにも貴重だからだ。
ところが、ステロイド剤はこの再吸収を阻害するので、カルシウムが尿に排出されてしまう。
さらに、ステロイド剤は骨にあるカルシウムを溶かし出してしまう破骨細胞の活性を増す。
だから、ステロイドホルモンを服用していると、期間の長短をとわず、骨は三重の致命的な打撃をうけていることになり、とどのつまりは骨粗素症になるというわけだ。
フェノバルビタール、プリミドン、フエニトインといった抗痙攣剤、甲状腺ホルモン剤などの薬剤にも、ステロイド剤ほど強くはないが、おなじように骨を細くする作用がある。
甲状腺機能が不活発な女性は、けっして必要以上の甲状腺ホルモン補充をうけてはならない。
過剰な甲状腺ホルモンは骨を異常に細くしてしまうおそれがあるからだ。
甲状腺機能が活発すぎる場合(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺機能不全で過剰にホルモンを補充するのとおなじことである。
いずれにせよ、過剰な甲状腺ホルモンは骨粗髭症の原因になる。
胃や腸の大半を手術で切除してしまった人は、食事でとったカルシウムを吸収する場所が小さくなってしまっている。
そのため、骨に沈着できるカルシウムがそれだけ少なくなる。
副甲状腺は頸部の甲状腺の上にある小さな器官である。
これは、肥大しても、表面からは見えないし手で触れてもわからない。
副甲状腺は骨を出入りするカルシウムの流れを調節するホルモンを分泌している。
その副甲状腺の機能が活発すぎるか、そこに腫瘍があるかして、このホルモンが過剰に分泌されると(副甲状腺機能亢進症)、骨からカルシウムを溶かし出してしまい、骨がもろくなり、骨粗鬆症になる。
カルシウムが失われる原因としてそれほど多くはないが、腎臓病も異常に大量のカルシウムを排出する。
また、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病といった悪性腫瘍もカルシウム欠乏をもたらす。
喫煙の習慣があると、閉経期が訪れるころには、骨のカルシウムが5〜50パーセント減ってしまっているだろう。
エストロゲンが骨におよぽす予防効果をタバコが阻害するからである。
エストロゲンの分泌がずっと正常以下だった女性は、骨粗髭症になりやすい。
エストロゲン欠乏の原因はいくつか考えられる。
なんらかの理由で卵巣を両方とも切除してしまい、適切なエストロゲン補充療法をうけなかった場合(子宮だけをとって卵巣を残した単純な子宮摘出のケースはあてはまらない。子宮はエストロゲンを分泌しないからだ)。
生殖腺機能減退症の場合も、生殖器官がきちんと発達しないので、十分なエストロゲンを分泌しない。
16歳になっても月経が始まらなかった場合、あるいは通常よりかなり早く(50歳近くなってからではなく30代や40代はじめに)閉経した場合。
激しい運動をして生理が6ヶ月以上ないことがよくあった場合。
運動選手として「コンディションをととのえる」ことで払う犠牲は、体脂肪の大半を失い、エストロゲンをつくり蓄える能力が低下してしまうことだ。
これらの場合はいずれも、長年にわたってエストロゲンがふつうよりも少なく、骨のカルシウムが不足している可能性がある。
とくに青年期に6ヶ月以上寝たきりだったことがあると、骨量が不足し、のちに骨粗鬆症になるおそれがある。
禦年アルコールを暴飲してきた人は、消化器のカルシウム吸収量がおそらくふつうよりも少ない。
アルコールはまたエストロゲンの骨におよぼすプラスの効果を減退させる。
だから、百に飲むアルコールの量を、ワインなら150cc、ウィスキーなら15cc、ビールなら360ccくらいに制限すること。
カフェインの摂取量が多いと、尿に出てしまうカルシウムが増えるからだ。
カフェインが骨にあたえるマイナス効果を補うために、少なくともコップ2杯の牛乳を飲むようにする。
だが、ペンシルバニア大学でおこなわれた最近の研究では、
このコーヒーの量と骨粗鬆症の関連は証明されなかった。
コーヒー好きには朗報だろう。
どちらが正しいか、そのうちわかる。
最近の研究でわかったことだが、
気分が落ちこんでいる女性のほうが、満ち足りている女性よりも骨密度が6.5パーセント低いそうだ。
骨粗髭症の素因となるステロイドホルモンの一種、コルチゾールの血中濃度が高くなるからだと思われる。
気分が落ちこんでいたら、骨密度を測定してもらい、生活状況を見直し、気分転換をはかり、かならず食事で十分なカルシウムをとり、運動の習慣をつけ、ホルモン補充剤の投与を医師に相談するとよい。
カテゴリー:骨粗鬆症
なぜ骨がもろくなるのか?
厚生労働省は昨年6月、メカジキやキンメダイなどに含まれる水銀が胎児に影響を及ぼす恐れがあるとして、妊娠中の女性に対して食べ過ぎないように注意を呼びかけた。
同省では、「妊婦以外はどの魚を食べても問題ない」としているが・・・。
「魚介類を多く食べる日本人は他国に比べ水銀の蓄積量が多い」という調査もあり、体への影響を心配する人も増えています。
また、大気汚染や食品添加物の摂取によっても有害ミネラルは体内に蓄積されます。
その一方、食生活の変化で必須ミネラルは不足気味になっています。
必須ミネラルには、有害ミネラルを排出する働きもあるだけに不足しないように食生活を見直す必要があると思います。
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骨格標本や死んだ動物の骨と違って、わたしたちの骨は生きている。
骨も体のほかの器官とおなじように、活発にダイナミックに機能しているし、肉体的なストレスにはおおいに反応を示す。
骨にある血管はカルシウムをはじめとする栄養素やホルモンを骨に運んできたり、骨から奪っていったりする。
タンパク質の枠をカルシウムが包んで骨を形成しているので、骨の強さや「折れやすさ」は含まれているカルシウム量によって左右される。
カルシウム量が多ければ多いほど望ましいということになる。
生涯にわたって、生きている骨ではカルシウムを吸収したり溶かし出したりする作用がたずくりかえされている。
これをおこなっているのが、カルシウムを増やす骨芽細胞とカルシウムを減らす破骨細胞という二種類の細胞で、これらの細胞が身体内部のさまざまな環境変化に反応するのである。
閉経期に入ると、それまでの骨芽細胞と破骨細胞の活動のバランスが適切にとれていたかどうかによって、
また、若いころにカルシウムが骨にどのくらいたっぷり蓄えられたかによって、骨の正味のカルシウム量が違ってくる。
食べ物でとったカルシウムは腸管から吸収され、その90パーセントが最後に骨と歯に吸収される。
だが、カルシウムは骨に吸収されるだけでなく、骨から出ていくものもある。
「入ってくる」のと「出ていく」のとどちらが優勢かは、年齢、ホルモンの状態、骨が必要とするカルシウム、骨がうけるストレス、筋肉の収縮や血液の凝固と対抗するのに必要なカルシウム量などによって決まる。
若いころは、骨のカルシウムは減る量よりも増える量のほうが多い。
30代から40代にかけて、その均衡がとれて、失われる量と沈着する量が同じになる。
そして、閉経期前後に破骨細胞の働きが優勢になり、失われるカルシウムのほうが多くなるのである。
それには二つの理由がある。
ひとつは、この時期に卵巣が分泌するエストロゲンが少なくなるからだ(エストロゲンはカルシウムが減るのを阻止する働きがある)。
もうひとつは、齢をとると、食べ物でとったカルシウムを消化器が吸収する量が減るため、その分だけ骨への沈着にまわらなくなるからである。
骨からほとんどのカルシウムが失われる時期が、女性の人生に二度訪れる。
最初は閉経直後で、つぎはそれからおよそ15年後である。
この「カルシウム残高がマイナス」の状態を阻止しないでいると、骨粗鬆症の細い骨になってしまう。
カテゴリー:骨粗鬆症
骨粗鬆症
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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若くて健康な人なら、大きなくしゃみがひとつ出てもそう心配しないだろう。
すべったりつまずいたりして転んでも、おそらく膝をすりむくか足首をひねるくらいですむだろう。
ところが五十代、六十代を過ぎていて、遠の昔に閉経している女性となると、激しくくしゃみやせきをしただけで肋骨が一本折れたり、ちょっと転んだだけで大腿骨などの骨が折れてしまいかねない。
閉経とともに始まるエストロゲンの低下によって、骨のカルシウムが減り、骨が細く弱くなって、折れやすくなる。
これが骨粗鬆症である。
ただの骨折ではすまない
女性は、若いころは骨粗鬆症のことなどたいして気にかけていない。
骨粗鬆症にかかるとしてもずっと先の話だし、脳卒中やがんなどになる心配とくらべて、さほど気が滅入ることもない。
だが、骨粗鬆症は悲惨な結果をもたらす可能性があり、しかも、加齢にともなう病気のなかでも最も多い部類に入る。
たとえば、女性の8人に1人が乳がんにかかるとされていて、これだけでも割合としては十分に悪いのに、女性で50歳を超えていると、いつか骨折する人の割合がなんと2人に1人なのである。
アメリカには骨粗鬆症の女性が2800万人いて(つい忘れられてしまうが、男性もほぼ500万人いる。もっとも、その多くは飲酒の問題か男性ホルモンのテストステロン不足によるものだ)、年間の骨折件数がおよそ150万件である。
若ければ、二、三週間ギプスをしているくらいですむ。
うっとうしいが、たいしたことではない。
ところが、大腿骨頸部を骨折する人は年間30万人いて、そのうちの6万人が骨折後1年以内に死亡している。
たいていは、長く寝ついてしまったために、肺炎や肺血管の塞栓症といった合併症が起こるからだ。
「運よく」死ななかった24万人のうち、4人に1人は介護が必要な身となり、1年もたたずに老人ホームに入るはめになる。
骨粗鬆症は、骨折にまでは至らなくても、ほかのかたちでも弊害をもたらす。
脊椎の骨からカルシウムが知らぬ間に徐々に失われていって、微細な亀裂が生じ、やがては骨がつぶれてしまう。
その結果、背中に慢性の痛みが生じたり、身長が低くなったり、脊椎が変形したりする (俗に言う「老人性円背」である)。
骨粗鬆症を予防するのに最もふさわしいときが、そんなことなどおよそ念頭にない時期だというのも、いかにも皮肉な話である。
予防を効果的にするには、早い時期に始めて、やめずにつづけるのが肝心ということだ。
たとえ骨粗鬆症の兆候がすでにあらわれていても(たいていは予防措置を始めるのが遅すぎたためだが)、まだ進行をとめることはできるし、生じてしまったダメージのなかには回復できるものすらある。
カテゴリー:骨粗鬆症
骨粗髭症になってしまったら
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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骨粗髭症治療では、骨からカルシウムが失われていくのを遅くしたり、とめたり、あるいはカルシウムをとりもどすことさえするが、まずは転倒の危険を避けることだ。
そのための、常識的で実用的な対策がいくつかある。
眠気をもよおしたり、からだのバランスをくずすような薬を飲まないようにすること。
そうした薬剤の最たるものが鎮静剤、抗うつ剤、抗不安剤、抗ヒスタミン剤である。
これらをどうしても服用せざるをえない場合は、こうした副作用が消えるまでじっとしている。
長時間寒気にさらされるのも、体温が低下するので注意力が薄れてくる。
椅子の前などに置く小さなじゅうたんは、滑りやすいので使わない。
延長コードをたるませておかない(わたしの母親も妻の母親も、わたしの家で延長コードに足を引っかけて転び、膝を骨折したことがある)。
遊びにきた孫たちが帰ったあと、おもちゃを出しっぱなしにしておかない。
飼い犬を追いかけない。
家で、とくに浴室や浴槽に使うマットは滑りどめのついたものにする。
浴槽や便器の近くには手すりをつける。
すべての階段に手すりをつける。
そのほか一人ひとりが気をつけるべき対策がいくつかある。
ハイヒールをはかないゴム底の靴のほうが無難である。
近ごろはしゃれたスタイルのものも多くなってきている。
急に姿勢を変えない。
齢をとると、動脈が硬化しているので、若いころのようにはすぐに血圧の変化に対応できない。
だから、横になっているかすわっている姿勢から急に立ち上がると、めまいがして転倒するおそれがある。
視力を定期的に検査してもらう。
骨折してしまったら、整形外科医の診察をうけ、痛みを抑えるのに必要な鎮痛剤をもらい、きちんとした理学療法をうけ、折れた骨を支える装具や副木を恥ずかしがらずに使う。
あまり「安静」にしていると、かえって骨がさらに細くなってしまう。
骨粗鬆症と診断されても(あるいはちょっとした怪我で骨が押しつぶされたり折れたりしても)、痺痛がなければ、それまで予防のためにやってきたことをやめてはいけない。
負荷運動を習慣づける、食事やカルシウム剤で十分なカルシウムを摂取する、エストロゲン補充療法(ERT)をうける、これらすべてがそれまで以上に欠かせなくなる。
エストロゲンはカルシウムが失われるのを遅くするだけでなく、失ったカルシウムをすこしでもとりもどす役にも立つ。
カテゴリー:骨粗鬆症
骨粗鬆症の予防の為に
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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丈夫な骨を保つには 骨粗鬆症の危険因子を減らすためにはどのような努力ができるか考えてみましょう。
骨粗鬆症の最も効果的な予防法は負荷運動を生涯つづけることである。
25歳までに始めて、習慣にするのが理想的だ。
少なくとも週に3、4回、45分から1時間のウォーキングを習慣にする。
ウォーキングができない日には、30分ウェイトリフティングをする。
ジョギングやダンスもよい。
多くの骨粗髭症専門医が同じ考えである。
水泳は、筋肉や関節にはとてもよいが、負荷運動ではないので、骨にはたいして効果がなく、骨粗髭症の予防にはならない。
食事で十分なカルシウムをとる。
ハーバード大学でおこなわれたある研究では、食事で十分なカルシウムをとりつづけても、閉経後の骨粗鬆症予防の助けにはならないと結論しているが、わたしはその研究結果に納得がいかない。
今日からでも、カルシウムを食事の主要栄養素にしてみてほしい。
アメリカ人が一日に摂取するカルシウムの平均量は400〜600ミリグラムだが、これでは十分ではない。
少なくとも、青年期には1200ミリグラム、閉経後は1500ミリグラム必要である (ただし、エストロゲンを補充すれば、1日1000ミリグラムでよい)。
これくらいの量なら食事でとれるはずだ。
もっとも、牛乳やチーズといった乳製品を敬遠しなければのことだが。
コレステロールや体重が増えるのではないかと心配なら、スキムミルクを飲んだり、無脂肪ヨーグルトや低脂肪チーズを食べればよい。
これならコレステロールも無視できるくらい少ない。
理由はともかく十分なカルシウムを食べ物で摂取していない人は、カルシウム剤で補充する。
わたしがすすめるのは炭酸カルシウムとクエン酸カルシウムである。
炭酸カルシウムのほうがクエン酸カルシウムよりも値段が安く、一錠に含まれているカルシウム成分がずっと多い。
食べ物といっしょに摂取すると、吸収効率が最もよい。
閉経後のエストロゲン補充療法は骨粗素症予防には最も欠かせないものだが、閉経後も適切な量のカルシウムを摂取することで、その進行を少なくとも3年から6年は遅らせることができる。
強い骨を維持するには、毎日最低400単位のビタミンDを必要とする(800単位処方する医師もいる)。
ビタミンDは消化器と骨のカルシウム吸収を促進するもので、ふつうは、皮膚に当たる日光の作用でつくられる。
屋外で十分に時間を過ごせないのなら、ビタミンD強化のスキムミルクを毎日コップに四杯か五杯飲めばよい。
ビタミンCのような水溶性のビタミンは、過剰な分は尿に排出されるが、ビタミンDは多すぎると有害である。
自分のビタミンDレベルは、かんたんな血液検査でわかる。
大豆などの植物を原料とする化合物にはフィトエストロゲンが含まれていて、その作用の多くがエストロゲンによく似ている。
大豆タンパクには粉末状のものがあり、ジュースやソーダに溶かしたりパン生地に入れることができて便利である。
コレステロールを低下させ、更年期のホットフラッシュを抑える効果もある。
骨粗鬆症の原因になるような薬剤(ステロイドホルモン、ある種の抗痙攣剤、過剰な甲状腺ホルモン補充剤)を服用している場合は、医師と相談して、ほかの治療法を検討するか、服用量を変えるべきである。
もっとも、ステロイド剤と骨粗髭症の関連にかんするかぎり、突破口が開かれた。
骨粗髭症の治療に使う骨代謝改善剤、エチドロン酸ナトリウム(「ダイドロネル」)を間欠投与することで、ステロイド剤のせいで骨が細くなるのを予防できるようになった。
投与量は、1日400ミリグラムのエチドロン酸ナトリウムを14日間、
そのあと1日500ミリグラムのカルシウムを76日間、
これを4クールおこなうのが望ましい。
ステロイドホルモンは、女性の骨とおなじように男性の骨にも悪影響をあたえる。
しかも、体内を循環するテストステロン量も低下させ、骨に送られるカルシウムも減らしてしまう。
最近の研究によれば、男性ホルモン(テストステロン)補充は、ステロイド誘発性の骨粗鬆症から男性をおおいに守ってくれるとのことである。
いますぐに禁煙する。
禁煙すれば、骨が丈夫で長持ちするようになるだけでない。
そのほかにも利点がたくさんある。
懐が豊かになり、がんや心臓疾患にかかるリスクも少なくなる。
エストロゲン不足の人生を送らない。
卵巣を両方ともとってしまっていたら、エストロゲン補充療法(ERT)をうけること。
片方の卵巣が一部分でも残っているなら、十分なエストロゲンを分泌する。
プロの運動選手で生理のないことがよくあるなら、エストロゲンの分泌量が少なすぎて骨を守ってくれない公算が大きいのてホルモン補充の必要があるかもしれない。
骨がカルシウムを失うのをできるだけ少なくしたりふせいだりするには、閉経期に欠乏するホルモンを補充するのがなにより重要だ。
エストロゲンが更年期によく起こるホットフラッシュの予防になることは、何年も前から周知のことである。
エストロゲンを服用している女性のほうが若々しく見える、気分がよい、よい性生活を長くつづけられるというのも、秘密でもなんでもない。
だがそれ以上に、エストロゲンは骨粗髭症、心臓疾患、脳卒中、アルツハイマー病の予防にもなる。
ただし、乳がんやその他の悪性腫瘍、偏頭痛、肝臓や胆嚢の疾患、高血圧、異常に多い血中脂肪(とくに中性脂肪トリグリセリドが多い)、血液凝固の既往症がある場合には、エストロゲン補充は好ましくないかもしれない。
だから、それぞれが医師と相談して、自分にとってのERTの功罪をはかりにかけ、うけるかどうかを決めるべきである。
また、ERT(エストロゲン補充療法)には大きな利点がたくさんあるといっても、危険性や副作用もひそんでいることを忘れてはならない。
ERTを始めた女性の三人に二人が二年後にやめてしまうことは、わたしも知っている。
たいていは乳がんになるのを心配するからだ。
家族歴から見て、この悪性腫瘍になる危険性が大きければ、エストロゲンを服用すべきではないだろう。
ERTのもうひとつの欠点は、開始したあと、生理がふたたび始まる可能性があるということだ(もちろん、子宮を摘出していない場合だが)。
生理があったころにひどく苦しめられた月経前症候群(PMS)の症状(気分の落ちこみ、乳房の痛み、気分の変動、頭痛、むくみ)までがもどってくるおそれもある。
エストロゲンを服用しはじめると突然、子宮内膜症(子宮の内膜が卵巣、骨盤壁、輸卵管といったほかの器官へ移動して増殖する)の症状が出はじめることもある。
これは、閉経前の生理のときにおなじみだった生理痛がもどってくるということだ。
ERTをうけるかどうか最終的な決断をする前に、こうした心配や副作用について、産婦人科医から十分に説明してもらうべきである。
先に述べたいずれかの理由で骨粗髭症になりやすい人は、一日に飲むアルコールを適量に抑えること。
ほどよい量の飲酒にはさまざまな健康増進効果があるが、限度を超えたらマイナスの影響しかない。
塩分のとりすぎも避けたほうがよい。
骨からカルシウムがとりのぞかれる原因になると考える医師もいるからだ。
カテゴリー:骨粗鬆症
骨折しないうちに骨の状態を知っておく
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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骨粗鬆症の危険因子とその予防法が以前書いた記事で分かったと思う。
それでは、予防努力がうまくいったかどうか、どうすればわかるのか。
予防策をあれこれとったのに、依然として骨がカルシウムを失いつづけ、どんどん細くなっているなら、対処の方法がいくつかある。
自分の骨の状態を調べるのに、骨折したり背骨が変形するまで待つことはない。
骨の状態を知る最良の方法は骨密度測定である。
これは大腿骨、背骨、手首の骨、ときには全身の骨で、ごく狭い範囲にX線を当てて測定する。
かならず少なくとも二ヶ所の骨を調べること。
大腿骨ともうひとつどこかべつの骨がよい。
骨密度検査は時間がかからず、苦痛がなく、ごく少量の放射線を当てるだけでよい新しい技術である。
更年期の女性をはじめ、骨粗鬆症になりやすい人はみんなうけるべきだ。
乳がん検診と違って、いつうけたらよいかを教えてくれる公式ガイドラインがまだない。
それに、遺憾なことだが、たぶん患者が自分から頼まなければならない。
というのも、アメリカの家庭医の3分の2が、(患者よりも知識があるはずなのに)この検査のことを患者に教えていないからだ。
骨密度検査は、実施経験の多い検査センターでうけること。
そのほうが検査結果の読みとりが正確である公算が大きい。
さらに、できれば二重エネルギーX線吸収測定法(DXAまたはDEXA)をうけるとよい。
これは二重の低強度X線を当てて検査する最新の方法で、飛行機に乗るときのボディチェック程度の放射線しか当てない。
DXA装置のある検査センターが近くに見つからないなら、ほかにもいくつかうけても大丈夫な検査法がある。
当てる放射線はいくぶん多いが、それでもごく少量である。
たとえば、二重光子吸収測定法、背骨を調べる定量的CT法(QCT)、手首の骨を調べる末栴骨QCT、手の骨を調べるX線吸収測定法などがある。
放射線を当てずにおこなう骨粗髭症の検査方法としては、超音波検査がある。
これは骨に音波を直接当てて、それに反応する骨の振動を測定するものだ。
カテゴリー:骨粗鬆症


