骨粗髭症の危険因子
3万人の骨密度を測定した産婦人科医による骨粗鬆症対策の食事と治療。
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骨が骨粗髭症になるかどうかは、若いころにどのくらいのカルシウムが骨に沈着したか、
そして、その時期に卵巣がどのくらいのエストロゲンを分泌していたかによって、大きく左右される。
しかし、それ以外にも重要な決定要素がある。
たとえば遺伝的な素質のように自分ではどうしようもないものもあるが、なんらかの手をうつことができるものもいくつかある。
骨粗髭症の危険因子をあげてみよう。
家族歴
母親、姉妹、祖母が、とくに大腿骨を骨折したことがあれば、自分もおなじ運命になる危険性は2倍である。
小柄な女性のほうが骨粗素症になりやすい。
太りすぎの女性で骨が細いという例は、わたしの見るかぎり多くない。
肥満は(いくつかほかの点では不利だが)、骨粗索症の少なさと実際に関連がある。
体重が多いぶん骨に圧力がかかるので、骨が要求し受けとるカルシウムがそれだけ多いからだ。
それに、脂肪細胞がエストロゲンを蓄えるということもあるのかもしれない。
すわっている時間が多いライフスタイル
骨に負荷をかけずにすわったままでいると、カルシウムの必要性が減る。
後年、すこししか蓄えてこなかったカルシウムが失われはじめると、困った事態になる。
長年にわたってカルシウムを使いはたしてしまう。
カルシウムは銀行預金とじつによく似ている。
働いているあいだに貯蓄しておけば、リタイアしてから使うことができる。
乳製品にはカルシウムが含まれているのに、太るのではないかと思ったり、
乳糖不耐症で牛乳を飲むと具合が悪くなったり、
コレステロール値を下げたいと思ったりしてカルシウムの多い食事を避けてきた人(そして食事で摂取するカルシウムが乏しいのにカルシウム剤を補充しなかった人)は、骨粗髭症になる立派な予備軍である。
ちょっとした怪我でも思いがけない骨折だったという人は、骨がすかすかになっている公算が大きい。
骨の実際のカルシウム量を調べてもらうとよい 。
ステロイドホルモン(コルチゾン系ホルモン剤)をなんらかの理由で(関節症、ぜんそく、がん、あるいはリウマチなどの膠原病のため)、6ヶ月以上服用してきた人は、骨粗鬆症になる危険性がかなり高い。
このホルモンは消化器で吸収されるカルシウムの量を減らすので、骨にカルシウムがほんのすこししか残らないからだ。
また、血液で運ばれるカルシウムはふつう腎臓でふたたび吸収され、尿には排出されない。
尿といっしょに排泄してしまうにはあまりにも貴重だからだ。
ところが、ステロイド剤はこの再吸収を阻害するので、カルシウムが尿に排出されてしまう。
さらに、ステロイド剤は骨にあるカルシウムを溶かし出してしまう破骨細胞の活性を増す。
だから、ステロイドホルモンを服用していると、期間の長短をとわず、骨は三重の致命的な打撃をうけていることになり、とどのつまりは骨粗素症になるというわけだ。
フェノバルビタール、プリミドン、フエニトインといった抗痙攣剤、甲状腺ホルモン剤などの薬剤にも、ステロイド剤ほど強くはないが、おなじように骨を細くする作用がある。
甲状腺機能が不活発な女性は、けっして必要以上の甲状腺ホルモン補充をうけてはならない。
過剰な甲状腺ホルモンは骨を異常に細くしてしまうおそれがあるからだ。
甲状腺機能が活発すぎる場合(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺機能不全で過剰にホルモンを補充するのとおなじことである。
いずれにせよ、過剰な甲状腺ホルモンは骨粗髭症の原因になる。
胃や腸の大半を手術で切除してしまった人は、食事でとったカルシウムを吸収する場所が小さくなってしまっている。
そのため、骨に沈着できるカルシウムがそれだけ少なくなる。
副甲状腺は頸部の甲状腺の上にある小さな器官である。
これは、肥大しても、表面からは見えないし手で触れてもわからない。
副甲状腺は骨を出入りするカルシウムの流れを調節するホルモンを分泌している。
その副甲状腺の機能が活発すぎるか、そこに腫瘍があるかして、このホルモンが過剰に分泌されると(副甲状腺機能亢進症)、骨からカルシウムを溶かし出してしまい、骨がもろくなり、骨粗鬆症になる。
カルシウムが失われる原因としてそれほど多くはないが、腎臓病も異常に大量のカルシウムを排出する。
また、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病といった悪性腫瘍もカルシウム欠乏をもたらす。
喫煙の習慣があると、閉経期が訪れるころには、骨のカルシウムが5〜50パーセント減ってしまっているだろう。
エストロゲンが骨におよぽす予防効果をタバコが阻害するからである。
エストロゲンの分泌がずっと正常以下だった女性は、骨粗髭症になりやすい。
エストロゲン欠乏の原因はいくつか考えられる。
なんらかの理由で卵巣を両方とも切除してしまい、適切なエストロゲン補充療法をうけなかった場合(子宮だけをとって卵巣を残した単純な子宮摘出のケースはあてはまらない。子宮はエストロゲンを分泌しないからだ)。
生殖腺機能減退症の場合も、生殖器官がきちんと発達しないので、十分なエストロゲンを分泌しない。
16歳になっても月経が始まらなかった場合、あるいは通常よりかなり早く(50歳近くなってからではなく30代や40代はじめに)閉経した場合。
激しい運動をして生理が6ヶ月以上ないことがよくあった場合。
運動選手として「コンディションをととのえる」ことで払う犠牲は、体脂肪の大半を失い、エストロゲンをつくり蓄える能力が低下してしまうことだ。
これらの場合はいずれも、長年にわたってエストロゲンがふつうよりも少なく、骨のカルシウムが不足している可能性がある。
とくに青年期に6ヶ月以上寝たきりだったことがあると、骨量が不足し、のちに骨粗鬆症になるおそれがある。
禦年アルコールを暴飲してきた人は、消化器のカルシウム吸収量がおそらくふつうよりも少ない。
アルコールはまたエストロゲンの骨におよぼすプラスの効果を減退させる。
だから、百に飲むアルコールの量を、ワインなら150cc、ウィスキーなら15cc、ビールなら360ccくらいに制限すること。
カフェインの摂取量が多いと、尿に出てしまうカルシウムが増えるからだ。
カフェインが骨にあたえるマイナス効果を補うために、少なくともコップ2杯の牛乳を飲むようにする。
だが、ペンシルバニア大学でおこなわれた最近の研究では、
このコーヒーの量と骨粗鬆症の関連は証明されなかった。
コーヒー好きには朗報だろう。
どちらが正しいか、そのうちわかる。
最近の研究でわかったことだが、
気分が落ちこんでいる女性のほうが、満ち足りている女性よりも骨密度が6.5パーセント低いそうだ。
骨粗髭症の素因となるステロイドホルモンの一種、コルチゾールの血中濃度が高くなるからだと思われる。
気分が落ちこんでいたら、骨密度を測定してもらい、生活状況を見直し、気分転換をはかり、かならず食事で十分なカルシウムをとり、運動の習慣をつけ、ホルモン補充剤の投与を医師に相談するとよい。
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