白内障の兆候
誰にも起こりうる目のトラブル、自覚症状もなく起こる眼病、成人病から合併する眼病、失明が怖い眼病など…。
一生つきあう目の健康・ケアのため、これだけは知っておきたい。
レビューを見る
やけにまぶしい
曇りガラス越しに見ているかのように、ものがややぼやけて見えるようになったら、白内障の疑いがある。
たいていの人がメガネのレンズをていねいに拭くものだが、そんなことをしてもむだである。
白内障になると、太陽の光にしろ電気スタンドの明かりにしろ、光がひどくまぶしく、ぎらついて見える。点灯した電球の周囲に萱が見えることも多い。
対向車のヘッドライトが「ハイビーム」になっているように思える。
白内障が悪化すると、色の光沢が落ちたように見え、小さな活字がますます読みにくくなり、やがて拡大鏡がふだんかけているメガネなみに欠かせなくなる。
白内障になってしまったら
白内障をとりのぞくには外科手術しかない。
点眼薬では消えないし、いったん白内障になってしまうと、食生活や運動、その他ライフスタイルを変えてもだめである。
メガネをかえても、しばらくのあいだしか有効ではない。
すっかりくもってしまった水晶体を像が透過しないからだ。
しかし初期の白内障は手術でとりのぞくことはない。
メガネをかえることで時間をかせげるからだ。
遠近両用メガネの度を強くするのも、細かい活字を読むときは拡大鏡を使うのも助けになるだろう。
かつては白内障が進んで手術の「機が熟す」まで待つようにと医師は言ったものだが、「機が熟したと決めるのはあくまでも本人だ。
生活の質に影響するほど視力が落ちたらいつ手術をうけてもよい。
足もとが見えなくてつまずいたり転んだりしたら、あるいはもう車を運転できなくなったら、まず手術をうける潮時だろう。
それでも決めるのは本人だけだ。
手術はまだうけないことにし、そのほうが気が楽なら、そうすればよい。手術をうけるのに遅すぎるということはない。
白内障の手術はたいてい日帰りですむ。
かつては、手術に何時間もかかり、患者は目が治癒するまで眼帯をして、数日、ときには数週間も入院していたものだ。
今日では、唯一の不便が手術当日の朝食を抜くことくらいである。
おそらく全身麻酔の必要はないが、緊張をやわらげるために鎮静剤をあたえられる。
麻酔は、ほとんどの場合、目の周囲に麻酔薬を注射をするが、点眼麻酔薬を使うこともある。
眼帯をして、その日のうちに帰宅できる。翌日には読書ができるが、スポーツは2、3週間控えるほうがよい。
水晶体の摘出技術はいくつか大きな進歩をとげてきた。
患者は、進んだ技術について知るべきだし、手術をする医師がその技術にどれくらい豊富な経験をもっているか知るべきである。
白内障の手術は、濁った水晶体を摘出するのが目的である。
それにはいくつかの方法がある。
「嚢内白内障摘出術」では、角膜を切開して、白内障を包んでいる嚢ごと、そっくり摘出する。
これは旧式な手術法で、現在はもうおこなわれていないはずである。
今日の標準からすると必要以上に大きく切開するので、角膜に疲痕が残って最良の視力をとりもどせない。
角膜の切開が小さいほど、長期的に見てよい結果が得られる。
切開が小さいほど、乱視(角膜の凹凸により、ものがゆがんで見える)になりにくいからである。
これよりも新しい方法が「嚢外白内障摘出術(ECCE)」で、このほうがはるかに望ましい。
水晶体は摘出するが、それを包んでいる嚢はそのまま残す。わたしは水晶体超音波乳化吸引法を使ったECCEをすすめる。
これは1980年代からおこなわれている方法で、切開が最も小さくてすむので、痩痕も小さく、最良の視力がもどるからだ。
水晶体超音波乳化吸引法が従来のECCEと違うのは、くもった水晶体をそのまま摘出するのではなく、小さな超音波探針を振動させて水晶体を細かく粉砕するところである。
粉々になった液状の水晶体を「吸い出す」ために小さく切開するだけでよい。
切開の大きさなど長い目で見れば実際には大差ないし、どんな方法のECCEでもよさに変わりはないと言う医師もいるが、そうでないことは証拠が示している。
水晶体を摘出したら、新しく人工の水晶体を入れる必要がある。人工水晶体のほとんどはアクリル製かシリコン製である。
しなやかなので、タコスのように折りたたむことができ、わずか三ミリの切開口から挿入できる。
この折りたためる水晶体は、従来の固い人工水晶体よりも、治癒にかかる時間が短い。
FDA(食品医薬品局)は最近、複数の佳萱もち折りたためる新しい水晶体を認可した。
これはヨーロッパで使われてきて、大きな成功を収めたものだ。
この人工水晶体なら、メガ、芸かけなくても、ものが大きく見えるし読書もできる。
ほかの技術的な理由で、白内障の手術ができない場合がある。
そのときはコンタクトレンズを使うか、白内障用のレンズが分厚いメガネを使うとよい。
白内障の手術をうけたあと
白内障の手術をうけたあと、どのくらいよく見えるようになるかは、その手術の方法や人工水晶体のタイプによって異なる。
また、黄斑変性症や緑内障といったほかの目の病気があったり、糖尿病や高血圧のコントロールがうまくいかなくて眼底出血があると、どんな人工水晶体を使っても申し分ない視力をとりもどすことはできない。
白内障の手術をうけたあともメガネが必要か?
不要な人もいるが、大多数が老眼鏡や遠くを見るための遠近両用メガネを必要とする。
水晶体を摘出しても、人間の体は別の水晶体をつくるようにはなっていないので、それ以上白内障になる心配はない。
しかし、ECCEをうけた患者の半数が2年以内に別の手術をうけなければならなくなる。
水晶体を包む嚢を残してあるので、その嚢が濁ってくることがあるのだ。
手術のあと、ものがとてもよく見えるので喜んでいたのに、その後、以前のぼやけた視力にもどってしまったら、これが原因である。
この合併症はヤグ(YAG)嚢切開術で治療する。
濁った嚢にレーザービームで小さな穴を開ける。
これで光が網膜まで到達できるようになる。
このヤグ嚢切開術はほんの数分しかかからず、外来でうけられる。
白内障について覚えておきたいこと
1 白内障は、正常なら透明な目の水晶体が濁って、十分な光が網膜まで達しないため、視界がぼやける。
2 白内障をひきおこす大きな原因としてよく知られているのは、喫煙、過度の飲酒、日光の紫外線に常時さらされていること、
ビタミンCやE、果物や野菜が足りない食生活、ある種の薬剤、とくにステロイドホルモンの長期使用などである。
3 白内障の唯一の治療法は、濁った水晶体を摘出し、人工の水晶体ととりかえることである。
これはいまではもう大した手術ではない。
日帰りでうけられるし、手術にともなうリスクもごくわずかである。
4 医師がどんな手術法を使うのかたしかめるべきである。
新しい技術ほどによい成果が得られるからだ。
視力はほぼかならずもどるが、老眼鏡や遠くを見るための遠近両用メガネはおそらく必要だろう。
5 手術の時期はあくまでも本人しだいである。
視力の減退が生活の質をさまたげるほどでないかぎり、あわてて手術をうけることはない。
お気に入りのブックマーク・RSSに登録 »
関連記事
サイトマップカテゴリー:眼の病気
トラックバック(0)
http://blog.shigoto-shikaku.com/mt/mt-tb.cgi/5244


